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本当の食料自給率は50%を超えている!?

 さすがに最近は食料自給率のカラクリが少しは浸透したとみえて、自給率が40%とはゆゆしきことだという単純な論調はいくぶん減ったかなという感じはします。が、TPP反対論のなかで自給率が持ち出される場合が多々みられますし、40%という自給率の数字を刷り込まれてしまっている状況が大きく変わったわけでもなさそうです。

 ここでいう食料自給率とは「カロリーベース」の自給率。毎年8月に農水省から発表される自給率とは、カロリーベースの食料自給率なのです。ちなみにこれは、国民一人の一日あたりの総供給カロリーを分母に、同じく国産供給カロリーを分子に計算するのですが、これだけでは至極まっとうなように見えますが、問題は分母。総供給カロリーは実に2500キロカロリーを超えているのです。しかし実際の日本人の一日平均の摂取カロリーは1900カロリーほど。農水省に言わせれば総供給なのだから捨てられた分もカウントするんだということでしょうが、実際の摂取カロリーで計算することが不当だという根拠はおそらく示すことはできないでしょう。いうまでもなく実際とは現実のことですから事実としての自給率はゆうに50%を超える計算になるのです。加えて自家消費の農産物はそもそも加味されていませんから、おそらく現在の日本の食料自給率は、実際の摂取カロリーベースでは60%近いと考えられます。

 むろん、この数字が高いか低いかは議論の余地があるでしょうが、少なくとも食料自給率について論じるならば、農水省が発表している「架空」のものではなく事実に即すべきです。また、農作物の生産に必要な肥料、燃料はその原料のほとんどを輸入に頼っていますから、僕は組しませんが自給率じたいにいかほどの意味があるのかという意見にも耳を傾けておく必要があります。

 ともあれ食料安全保障については、当然ながら重要な政策課題ですし、「グローバル経済なんだから輸入すればいいじゃないか」といった安易な主張は支持できません。しかしことさらに食料危機を煽り、それを背景に、農業の振興という点からはほとんどピントのはずれた施策に予算を湯水のごとく注ぎ込んでいる実態のほうがよほど危機的です。

 だいたい、一方で自給率が低いといいながら生産調整を続けるのは、アクセルとブレーキを両方踏んでいるようなものですね。

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