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農政の転換には程遠い話

 長年の農政を農水省、自民党、農協の三者が取り仕切ってきたことは衆目の一致するところでしょう。政権交代への期待のなかには、農業を衰退させてきた農政からの転換もなかったわけではありません。

 ちなみに、論者に共通する指摘は、民主党政権の農政は戸別所得補償に象徴されるように、農協を媒介とせず行政が農家と直接向き合うことによって、長年自民党の集票マシーンとして機能してきたとされる農協と農家とを切り離し、自民党の組織基盤を無力化させるという点です。

 おそらく当たらずとも遠からじなのでしょうが、だとすると民主党政権はかなり高いリスクを背負うことになるでしょう。というのは、一般的に農家の農協に対する評価は決して芳しいものではないからです。それゆえ、皮肉なことですが自民党政権への不満への盾としての役割を農協が果たしてしまったのです。農村部は自民党が強いとされますが、現場がお粗末なために、自民党の失政まで云々する、まして政権交代なんぞという天下国家のお話まで考えが及ばない状況が、結果的に自民党を延命させてしまったというのが実相に近いでしょう。

 いっぽう民主党政権は、その意図がどうあれ農家と直接向き合うわけですから、嫌われ役を代行してくれるものはいません。しくじれば直接民主党が怨嗟の的になるのです。自民党の基盤を突き崩すつもりが、逆に総スカンを食らうこともあり得ます。そのことを承知のうえで、自ら高いハードルを課し、農家のための農政を推進するというのなら結構なことなのですが・・・。

 もうひとつ、民主党(というか小沢幹事長)が蛇蝎のように嫌う組織に、土地改良区があります。組織を取り仕切る顔ぶれをみれば、確かに頭の先から足のつま先まで自民党そのものともいえます。ただ、ある農家の方が「農協は勧進みたいなもんだ」(要はあれやこれやと理由をつけては金を出させるという意)と評しておられたのを聞いたことがありますが、土地改良区の場合、賦課金は払うものの、水利という目に見えるキックバックがあるため、シャッポに誰が座っているかなど多くは気に留めていませんし、むしろ「政権が変わって補助が切られたら、負担が増えるかもしれない」という不安すら漂っています。

 農政の転換なんぞというずっとずっと手前のところで、すでに危なっかしさが頭をもたげているようです。

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