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保守・中道・革新?

 野に下った自民党の方々から、「保守の理念の再構築」「真の保守政治の確立」といった趣旨の主張がちらほらなされています。「どうぞ、ご随意に」なさればいいことですが、いまや民主党政権と対峙する勢力はこれまた自民党しかないわけですから、興味深いところではあります。

 ・・・が、それが「保守の理念」を研ぎ澄ますことなのかは、???というほかありません。だいたい55年体制が40年近く続いたのは、党是はどうあれ、実際にはなまくら四つの自民党と、政権をとる気などさらさらない社会党が実に仲良くしてきたからです。ちなみにその源たる「国対政治」の否定こそ、細川政権成立の意義といっても過言ではないでしょう。(その後はともかく・・・)

 要は、保守の理念なるものなんて、歴史上自民党という政党が少なくとも組織として真剣に考えたことなどないのです。逆説的に言えば、だからこそ国民政党として成り立ちえたのですから。

 どうも自民党の方々はなにか勘違いなされているようです。これまでなんだかんだいって自民党が支持を得てきたのは、国家予算を国民へ還元するラインを網の目のように作り上げたからにほかなりません。が、それが圧力団体・組織というフィルターを通してだったかがめに、かかるルートで還元の恩恵に浴する国民が少数派になっていることへの対応が後手にまわったことが下野の最大要因だということをなぜ冷静にとらえないのか摩訶不思議というほかありません。

 もし、自民党が再び民主党にとって代わろうとするならば、まず、これまで自民党を自民党たらしめていた政治秩序じたいを自民党自身の手で否定することでしょう。というのは、民主党政権の姿勢は、全般的には、これまで自民党が握ってきたいわゆる「集票マシーン」を奪うことにかなり比重がかかっており、当然政策展開もその点に規定づけられているからです。だからこそ、いまのうちに自民党自身が脱皮して国民一人一人と直接向き合う姿勢を明示的にすれば、かつての自民党的政治文化を現実には継承する民主党との差別化ができるはずなのです。

 むろんそれは「保守理念」云々などではありません。(こうした試みは、すでに伝承者が失われた芸能を、古文書をひっくり返してかつての作法どおり復活させるという文化事業としての意義は大きいでしょうが、現在進行形の課題とはそもそも重なり合わないものです)

 先日の衆議院予算委員会での自民党質問者の水準が高かっただけに、なおさら「保守・中道・革新」などという死語にとらわれず、いかに国民と直接向き合うかという点にこだわる転換にこそ目的意識的であるべきだと思ったのでした。

 さして期待しているわけでもありませんが・・・。

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