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田中秀征氏の慧眼―「政界再編へ第三極結集を」を読む

 読者があまり重なっていないようなので、今回は昨日発行したメルマガと同じ文章を掲載させていただきます。手を抜くわけではありません。ご寛恕ください。

  田中秀征氏が「政界再編へ第三極結集を」と題した論稿を、各地方紙に発表されたのは先月のことですが、僕は最近になって人に薦められ読む機会を得ました。

 テレビ等の発言でも常に冷静で論理的な氏の話にはひそかに敬意を表してはきましたが、改めて氏の慧眼に敬服しているところです。

 氏は、今の政治状況を、細川政権成立前後の92、3年とそっくりだ
ととらえます。当時の自民、社会両党が新たな針路を切り開くことができないなかで、国民の期待は日本新党、新党さきがけなど新たな政治勢力に向けられたが、同様にいま自民、民主両党への期待感が薄れているというのです。世論調査をみた場合、連立政権や大連立にはそれなりの支持があるのに、両党の単独政権への期待は10%程度に留まっていることはその証左だというわけです。
 それはなぜかとの問いには、両党とりわけ民主党に政策のねじれが存在し、基本政策で意思統一できないことに根本的理由を見い出されます。
 それゆえ、氏の言葉を借りれば「終ったはずの政界再編が再び大きな政治課題となる可能性が生まれて」きており、いまこそ政策のねじれを 解消し、同じ考えの人が同じ政党に結集することが必要だという結論が導き出されるのです。それこそ政界再編を促す新たな第三極というわけです。

 氏は、時代の要請に合致した明確な政策目標、少数でも清新で優れた人材による同志的結合によって、圧倒的な世論の支援を受ける精鋭集団が出現すれば、政局は一気に流動化すると説かれるのですが、むろんもしそうした新党が生まれれば大きなインパクトを与えることは想像に難くありません。
 では、新党は何を柱にするのかという点は、
   1 日米同盟より国際協調を重視
   2 官僚主導から国民主導の政治への転換(官権から民権政   治へ)
   3 地球温暖化や格差問題などグローバル経済のマイナス部分の除去
    の三点を挙げられます。
  氏は「改革リベラル」と表現されるのですが、その背後には「行政改革を熱望しイラク戦争に反対する」有権者を収容する政党がないという問題意識があるようです。
    
 正直僕は田中氏の主張には大いに共感するのです。というのは言い回しはやや異なりますが、かつて社会党も「民主リベラル」「社民リベラル」などといった表現で、おおむね氏が柱にしている点を取り上げ、政権交代可能な政党への脱皮を模索した時期があり、僕自身当時それに期待もしていたからです。残念ながらそれは挫折し、氏が参画された新党がその役割を担ったのが、細川政権前後の政治状況でした。

 さてそれ以上に僕が共感するのは、氏の構想には55年体制の崩壊とともに存在理由を失った保守、中道、革新という政治的枠組みの残滓を止揚する可能性があるからです。
 自民、民主両党を「保守二大政党」と位置づけ、革新の潮流を再結集する第三極が必要だという意見は全体では少数派とはいえ存在しますし、実際社民党も自身を保守二大政党と対峙する第三極だと位置づけています。
 ただ、改憲だから保守、護憲だから革新もしくは第三極というのでは現実の政治との乖離だけが浮き彫りになることも指摘されていますから、その意味においても氏の指摘は示唆に富んでいます。

 いずれにせよ、既成政党の離合集散からは新しい息吹は生まれません。
 新しい船に古い船頭が大勢乗り込んでも船が針路を指し示すことなどできないからです。
   「ここにきて政界再編の兆しのような動きも出てきている」
   「その機は着実に熟しつつある」
  などと意味深長な言い回しを氏はなさっておられます。
  このあたりは部外者には窺い知る事はできませんが、いまの政党政治そのものに閉塞感を抱いている一人として、大いに関心のあるところです。

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