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チベット暴動に思う

 ラサの僧侶たちのデモが端緒だとすれば、すでに2週間が経とうとしているいわゆる「チベット暴動」。デモ隊と治安部隊の衝突が表面化する前日の報道では、ダライ・ラマ14世がわざわざ「北京五輪を支持している」と発言しているところからみると、事件が報道される前からなんらかの伏線はあったのかもしれません。

 いまのところ日本政府の対応については「意見があれば言わせていただく」と福田首相。最近おとぼけが目立つ福田さんですが、相変わらずのようです。むろん暴動はさまざまな事実が積み重ねられた結果でしょうし、その経過の中ではどちらか一方に非があると断定するのは難しいかもしれません。

 しかし、です。中国政府は治安部隊を出動させ、武力で市民を駆逐しようとしたこと、そして無辜の市民が犠牲になったことは明白な事実です。それを認めているからこそ中国側は「国内問題だ」と開き直っているのです。

 少なくとも、人権が普遍的な価値であると認識するならば、事態の収拾を中国政府に求めるのは当然のことなのです。例えば、イギリスのミリバンド外相は「双方の抑制」「対話の継続」を求める発言をしていますが、これとてあたりさわりのない話とはいえ、「抑制」は強い側にとって足枷になりますし、「対話」は武力の撤退を意味します。せめてこの程度のことを日本政府が発信してばちが当たるわけがありません。

 僕はあえて「少なくとも」と述べました。というのは、もし人権を普遍的な価値だと認識しないのなら、中国が「国内問題だ」と強弁すれば、「そうですか」って引き下がることもあり得るからです。それに福田さんに人権云々など求めるのがそもそも野暮なことかもしれないからです。ただ、それだけに人権の普遍性にこだわる者はきちんと声を挙げるべきでしょう。

 付け加えておくとこの点はチベット独立を支持するか否かという立場に関わりない問題です。歴史的経緯からすると、チベットへの軍事侵攻したのはいまの中国政府ですが、かつての中華民国、国民党政府もその領有権は主張していましたし、戦前チベットの独立を認める国がなかったことも事実です。中国政府に言わせれば、清の時代から中国の一部分だったのだから、チベットを侵略したわけではないという理屈になるのでしょう。

 しかしいま問題なのは、チベットの独立に正当性があるのかどうかということではなく、無辜の市民が銃口にさらされているという事実なのです。

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