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2008年3月

政策論議を深めよう

福田首相の新たな提案への各紙の論調は、おおむね特定財源の一般財源化に踏み込んだことを評価した点で共通しています。また、

 「日本経済や国民生活を混乱させないという一点で、福田首相と小沢一郎民主党代表が胸襟を開いて話し合ってもらいたい」(日経)

 「国民の生活を混乱させないため、今度は民主党の小沢代表が決断する番だ」(朝日)

 などと、与野党協議での事態打開を求めているのも特徴的です。

 

国民生活の混乱を目の前にして、野党側が「責任は政府・与党にある」と言い張り続けるのはダメよということなのでしょう。

 確かに一市民の感覚からすれば、民主党が突っ張っても、最終的には政府案が成立する状況下で、出口が遠のいた分しわ寄せは国民がかぶることになれば、与野党共に妥協せよということになるのはごく自然です。

 「政府与党の責任を追及する」ことと「国民の負託に応える」こととのバランス感覚はむしろ野党の側に問われているのかもしれません。

 とりわけ今国会では、参議院での与野党逆転がもろに反映し、法案処理の技術的な話が目立ち、必ずしも政策論議が深まったとは言い難い側面を否定できないからです。

 

僕には福田首相の新提案はその場しのぎの観が否めないのですが、いくつかの点で踏み込んだことは事実ですから、もし与野党協議が国対政治の駆け引きではなく純然たる政策論議の場になるならば歓迎したいと思います。

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苦し紛れ?の福田首相

 今日の緊急記者会見で、福田首相は来年度から道路特定財源を一般財源化するとともに、10年で59兆使うとしていた道路整備中期計画を5年に短縮すると発表しました。

 首相の新たな提案は以下の7点です。

 1、地方財政や国民生活の混乱を回避するため、平成20年度歳       入法案の年度内成立

 2、道路関連公益法人や道路整備特別会計関連支出の徹底的な無駄の排除

 3、道路特定財源制度は今年の税制抜本改正時に廃止し、21年度から一般財源化

 4、暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取り組み、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況を踏まえて検討

 5、道路の中期計画は5年として新たに策定

 6、新たな整備計画は、20年度道路予算の執行にも厳格に反映。20年度予算における一般財源としての活用は、民主党から現実的な提案があれば協議に応じる

 7、与野党協議会を設置し、一般財源として使途のあり方、道路整備計画などを協議・決定

 というわけですが、民主党の主張は今年度からの一般財源化、暫定税率廃止ですから、基本的には呑めないでしょう。しかも暫定税率については来年度以降も維持したいと言っているわけですから新提案はいわば苦し紛れの彌縫策の域を超えません。ただ中期計画を5年に短縮するとした点は、首相なりに清水の舞台から飛び降りたのでしょうが・・・。

 5、6点目の提案は、政府としては最大限野党に歩み寄る姿勢をしめしたようにも見受けられますが、1点目で今年度の歳入法案の年度内に成立させるとしている以上、2点目以下は、政府案を成立させてくれば考えてもいいですよと言っているようにも映りますから、野党サイドからすれば「はいわかりました」ということにはなりません。

 おそらく、首相も民主党が簡単に呑むとはよもや思ってはいないでしょう。一見低姿勢に国民の声に耳を傾けたんだというポーズを示して、起死回生を狙っているということでしょうか。というか、民主党がはなから相手にしないことを見越して、政策論議を民主は拒んでいるという印象付けをしたいのかもしれません。

 現状ではよほどのことがない限り内閣への支持が回復することはありません。それがわかりきっているから、民主党の支持が広がらぬよう、「なんでも反対」「国会の混乱は与野党双方に責任がある」という世論を作り、相打ちに持ち込もうという魂胆なのかと僕は勘ぐってしまいます。もしそうなら首相もなかなかクレバーなお人ではありますが。 

 もっとも「福田さんはダメだが、民主党にも任せられない」という空気の中、政治がひたすら迷走を続けることで一番被害をこうむるのは私たち一人ひとりだということだけは確かです。

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わけのわからない福田首相

 「正直言ってわけがわからないんです。対話できるならしたいが、お答えがないのが現状です」とは、福田首相のお言葉。

 道路特定財源の修正協議が進まないことにずいぶんとあせっておられる様子は窺い知れますが、わけがわからないのは福田さんの方でしょって感じではありますね。

 与党の修正案は確かに一般財源化に向けて見直すといいつつ、とりあえず今年度は暫定税率を維持して、来年度の税制改正に先送りするというものですから、そりゃあ民主党が呑めるわけもないでしょう。もっともこの辺りは、政策論と国対政治のテクニックが交錯していてわかりにくいところはあります。

 要は、年度末までにしょりしなきゃならない租税特別措置は暫定税率だけではなく、残り7つの措置は与党はもちろん民主党も賛成なんです。だから対決モノだけ民主党は分離して法案を用意したわけです。ここで与党が分離処理に応じていれば、混乱はしたでしょうが、肝心の暫定税率の分を衆議院で再可決をすれば、与党側は一応乗り切ることができるはずだったのです。

 もっとも、いわゆる「みなし否決」の期日は4月末ですから、その頃には再可決するでしょう。が、となれば参院で首相の問責決議案が可決されることになるのは必定。

 ここから先は不透明ですが、まず解散総選挙はありえません。とすれば、開き直った福田さんが首相の座に居座り続けるか、四面楚歌で総辞職かのいずれかになるんでしょう。

 いずれにせよ、政局の混乱は避けられませんが、その際、自民はダメだが民主にも任せられないという国民世論が持続しているのであれば、新たな枠組みを求めた政界再編の可能性も出てきます。政治の閉塞状況を作り出している責任は与党だけでなく民主党にもあるのですから、双方を乗り越えようとする新たな枠組みが意外と早く登場するかもしれません。

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チベット暴動に思う

 ラサの僧侶たちのデモが端緒だとすれば、すでに2週間が経とうとしているいわゆる「チベット暴動」。デモ隊と治安部隊の衝突が表面化する前日の報道では、ダライ・ラマ14世がわざわざ「北京五輪を支持している」と発言しているところからみると、事件が報道される前からなんらかの伏線はあったのかもしれません。

 いまのところ日本政府の対応については「意見があれば言わせていただく」と福田首相。最近おとぼけが目立つ福田さんですが、相変わらずのようです。むろん暴動はさまざまな事実が積み重ねられた結果でしょうし、その経過の中ではどちらか一方に非があると断定するのは難しいかもしれません。

 しかし、です。中国政府は治安部隊を出動させ、武力で市民を駆逐しようとしたこと、そして無辜の市民が犠牲になったことは明白な事実です。それを認めているからこそ中国側は「国内問題だ」と開き直っているのです。

 少なくとも、人権が普遍的な価値であると認識するならば、事態の収拾を中国政府に求めるのは当然のことなのです。例えば、イギリスのミリバンド外相は「双方の抑制」「対話の継続」を求める発言をしていますが、これとてあたりさわりのない話とはいえ、「抑制」は強い側にとって足枷になりますし、「対話」は武力の撤退を意味します。せめてこの程度のことを日本政府が発信してばちが当たるわけがありません。

 僕はあえて「少なくとも」と述べました。というのは、もし人権を普遍的な価値だと認識しないのなら、中国が「国内問題だ」と強弁すれば、「そうですか」って引き下がることもあり得るからです。それに福田さんに人権云々など求めるのがそもそも野暮なことかもしれないからです。ただ、それだけに人権の普遍性にこだわる者はきちんと声を挙げるべきでしょう。

 付け加えておくとこの点はチベット独立を支持するか否かという立場に関わりない問題です。歴史的経緯からすると、チベットへの軍事侵攻したのはいまの中国政府ですが、かつての中華民国、国民党政府もその領有権は主張していましたし、戦前チベットの独立を認める国がなかったことも事実です。中国政府に言わせれば、清の時代から中国の一部分だったのだから、チベットを侵略したわけではないという理屈になるのでしょう。

 しかしいま問題なのは、チベットの独立に正当性があるのかどうかということではなく、無辜の市民が銃口にさらされているという事実なのです。

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日銀総裁が空席!?

 ドル安で日本経済があたふたしている真っ最中に、日銀総裁が空席になるとは、かっこ悪いことおびただしいですね。

 各紙の論調は、もともと武藤副総裁の昇格にさほど異存はないという風で、民主党の対応に辛いものでしたが、僕は一紙くらい財金分離の意義に言及するところがあってもいいじゃないかとは思っていました。

 しかしこの期に及んでまたぞろ財務官僚上がりの方を総裁候補に持ってくるとは、福田首相はいったい何を考えているのか不可解としか言いようがありません。だって野党が呑むわけないのですから。おそらく水面下の交渉は自民・民主間でなされたでしょうし、なんの保証もなく、新人事案をさしたわけでもないでしょう。そのあたりの事情はよくわかりませんが、日銀総裁人事が民主党内の覇権争いの具にされているかのごとき風聞も伝わってきます。

 ただいずれにせよ、そもそも同意されないのがわかっている人事案しか出してこない政府側の責任は重大です。だいたい総裁の任期が切れることも、参議院での与野党逆転で同意人事が綱渡りになることもとうにわかっていたことなのですから。

 ともあれ、茶番劇にもならないお話を云々するよりも、せっかくの機会ですから、財金分離の原則に立ち戻って、金融政策の独立性を論じたいものです。 

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道路特定財源からタクシー代?

 読売新聞によれば、

 「国土交通省の出先機関である地方整備局で、ガソリン税などの道路特定財源を原資とする道路整備特別会計(道路特会)から、道路部局関係職員のタクシーチケット代金として、2002年度から5年間で総額23億7800万円が支出されていたことが16日、明らかになった」そうです。

 「地方整備局や、同局の下にある国道事務所など、道路部局関連の職員は全国に約1万2000人いる。国交省によると、道路特会からのタクシーチケットは、深夜残業の際の帰宅用や、日中の業務で公用車がない場合などに使ったという」ことで、国交省道路局は「道路関係の仕事をする職員のチケットなので、道路特会からの支出は適法だ」といっているとのこと。

 職員が仕事のために使ったから適法だということらしいのですが、ならば、明細を出すべきでしょう。適法かどうか判断できないデータしか示さないまま、「問題ありません」ではお話になりません。

 5年で23億ですから、1年平均4億6千万です。ちなみに一般会計からも毎年6千万支出しているそうですから、おおむね年間5億とみていいでしょう。職員は約1万2千人ですから、一人あたり年間4万を超えるタクシー代を使ったという計算になります。

 実際はどうでしょうか?

 職員のタクシー代で年間4億以上ってのはありえない話ではないでしょうか?

 まず、すべての職員が深夜残業するわけではありませんし、日中タクシーを使ってまで仕事をする職員も限られているでしょう。1万2千の職員全員がタクシーチケットを使うことなどありえません。

 しかも仮に深夜残業があってタクシーが必要な場合、少なくとも同じ方向に帰る職員は相乗りするでしょう。一台に最低3人は乗れるわけですから。また残業した職員すべてがタクシーで帰らなければならない環境にあるとは限りません。

 公用車がない場合に使ったとも国交省は説明していますが、常識的に考えて、公用車がないことが頻繁ならば、公用車を増やせばいいのです。200万の車を仮に100台購入しても2億ですし、日本車なら最低10年は持ちます。ガソリン代などを考えても5年間で23億もかかることなどありえません。

 と考えてみると、果たして職員のタクシー代に23億が消えたのかという疑問が沸きあがってきます。

 通常タクシーチケットなるものがどう使われているかといえば、ケースとして多いのは接待をした相手に、タクシーを呼んで別れ際に「これを使ってください」と渡すパターンです。じゃあ彼らが誰を接待するのか? 出入りの業者ということはないでしょう。まあ彼らから接待を受けることはあるかもしれませんが。

 となれば、内部でのいわゆる「官官接待」か、「関係各方面」にプレゼントしているかのいずれかか、両方かです。当然推測の域を超えませんから「関係各方面」の中身には言及しませんが、特定財源を守るもしくは守ってくれる立場にある「各方面」ということです。

 これはあくまで僕の推測です。

 しかし、僕に限らず容易に推測できる範囲のことです。

 それゆえ特定財源をタクシー代に使ったことがけしからんという問題を超えて、本当にそうなのかという点を追及することが肝要だと思うのです。

 そのためにまず総額だけではなく明細を出させるべきです。そして明細をさらにチェックしてゆけば、かならず辻褄の合わないケースが出てくるはずです。

 ひょっとしたら、大きなスキャンダルの種になるかもしれません。

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寝台急行「銀河」廃止

  おととい報道ステーションをみていると、東京大阪間を走ってた寝台急行「銀河」が廃止とのこと。

 昨晩の運行を最後に、今日からの新ダイヤには「銀河」は消えてしまいました。
 
 僕は2回しか乗ったことがないんですが、意外と使い勝手がよかったのです。 金曜日の夜まで日程がたて込んでいて、かつ地元で朝早くから日程がはいっている時に使ったのですが・・・。

 酒とつまみを買って乗り込み一人酒盛。 熱海に着く頃までには平らげ、あとは朝までスヤスヤ
 そんなこと夜行バスではできないですもんね。

 やっぱり運賃が高すぎたのがアキレス腱だったのでしょう。
 いずれブルートレインって言葉も死語になるのでしょうか。時の流れとはいえ寂しいものです。

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円高

 円高というよりもドル安がといった方がより正確だと思いますが、ここ数日の為替相場はむろん日本経済の先行きを考えたとき安閑とできるものではありません。

 ただ、今回の場合冒頭で触れたように、アメリカ経済の行き詰まりが露呈したわけですが、日本の輸出産業は対米貿易のみに依存しているわけではありませんかし、個々の企業間に当然差はあるでしょうが、ドル安への免疫もできているでしょう。また原油などの輸入部門は若干一息つけるのかもしれません。

 株価の下落も、そもそも海外市場が日本企業への関心を失いつつあるということが問題で、円高が主要因ではありません。

 総裁人事でもめている日銀も慌ててドル買いに走ることもないでしょう。

 ちなみにグローバル経済のなかで、この種の問題はむしろいつあっても不思議ではないと考えておくべきでしょう。もちろん企業はそれなりの経験を踏まえ工夫はこらしているはずです。しかし、重要なのは内需です。企業が利益をあげているのに国民消費に反映しない現状こそ打開すべきなのです。

 内需を軽んじ海外で儲けて帳尻をあわせる経済は、円高になろうが円安になろうが、もともと脆いのです。

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元社長?

 日本では無罪が確定したいわゆる「ロス疑惑」。なぜいまになってロス市警が逮捕に踏み切ったのか、まめにニュースをチェックしているわけでもないので、細かいことはわかりません。もっとも一事不再理については少なくとも判決確定時に他国(この場合カリフォルニアの州法でしょうか?)が、他国で判決が確定した事例に一事不再理を容認していたのかどうかが、問われなければならないとは思います。

 さて、僕が気になるのは、新聞、テレビの報道が「元社長」という肩書で通していること。日本では無罪なんだから「さん」「氏」でもいいように思うんですが、なぜ奇妙な肩書で統一するのか不可解でなりません。普通だと「なんとか会社元社長なんとか容疑者」とか「自営業なんとか容疑者」などと表現するんですけどね。

 「さん」「氏」という表現が適切でないと判断したから「元社長」としているわけですから、ならばなぜ不適切とされたのかその根拠がしりたいものです。もしご存知の方がいらっしゃればご教示ください。

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田中秀征氏の慧眼―「政界再編へ第三極結集を」を読む

 読者があまり重なっていないようなので、今回は昨日発行したメルマガと同じ文章を掲載させていただきます。手を抜くわけではありません。ご寛恕ください。

  田中秀征氏が「政界再編へ第三極結集を」と題した論稿を、各地方紙に発表されたのは先月のことですが、僕は最近になって人に薦められ読む機会を得ました。

 テレビ等の発言でも常に冷静で論理的な氏の話にはひそかに敬意を表してはきましたが、改めて氏の慧眼に敬服しているところです。

 氏は、今の政治状況を、細川政権成立前後の92、3年とそっくりだ
ととらえます。当時の自民、社会両党が新たな針路を切り開くことができないなかで、国民の期待は日本新党、新党さきがけなど新たな政治勢力に向けられたが、同様にいま自民、民主両党への期待感が薄れているというのです。世論調査をみた場合、連立政権や大連立にはそれなりの支持があるのに、両党の単独政権への期待は10%程度に留まっていることはその証左だというわけです。
 それはなぜかとの問いには、両党とりわけ民主党に政策のねじれが存在し、基本政策で意思統一できないことに根本的理由を見い出されます。
 それゆえ、氏の言葉を借りれば「終ったはずの政界再編が再び大きな政治課題となる可能性が生まれて」きており、いまこそ政策のねじれを 解消し、同じ考えの人が同じ政党に結集することが必要だという結論が導き出されるのです。それこそ政界再編を促す新たな第三極というわけです。

 氏は、時代の要請に合致した明確な政策目標、少数でも清新で優れた人材による同志的結合によって、圧倒的な世論の支援を受ける精鋭集団が出現すれば、政局は一気に流動化すると説かれるのですが、むろんもしそうした新党が生まれれば大きなインパクトを与えることは想像に難くありません。
 では、新党は何を柱にするのかという点は、
   1 日米同盟より国際協調を重視
   2 官僚主導から国民主導の政治への転換(官権から民権政   治へ)
   3 地球温暖化や格差問題などグローバル経済のマイナス部分の除去
    の三点を挙げられます。
  氏は「改革リベラル」と表現されるのですが、その背後には「行政改革を熱望しイラク戦争に反対する」有権者を収容する政党がないという問題意識があるようです。
    
 正直僕は田中氏の主張には大いに共感するのです。というのは言い回しはやや異なりますが、かつて社会党も「民主リベラル」「社民リベラル」などといった表現で、おおむね氏が柱にしている点を取り上げ、政権交代可能な政党への脱皮を模索した時期があり、僕自身当時それに期待もしていたからです。残念ながらそれは挫折し、氏が参画された新党がその役割を担ったのが、細川政権前後の政治状況でした。

 さてそれ以上に僕が共感するのは、氏の構想には55年体制の崩壊とともに存在理由を失った保守、中道、革新という政治的枠組みの残滓を止揚する可能性があるからです。
 自民、民主両党を「保守二大政党」と位置づけ、革新の潮流を再結集する第三極が必要だという意見は全体では少数派とはいえ存在しますし、実際社民党も自身を保守二大政党と対峙する第三極だと位置づけています。
 ただ、改憲だから保守、護憲だから革新もしくは第三極というのでは現実の政治との乖離だけが浮き彫りになることも指摘されていますから、その意味においても氏の指摘は示唆に富んでいます。

 いずれにせよ、既成政党の離合集散からは新しい息吹は生まれません。
 新しい船に古い船頭が大勢乗り込んでも船が針路を指し示すことなどできないからです。
   「ここにきて政界再編の兆しのような動きも出てきている」
   「その機は着実に熟しつつある」
  などと意味深長な言い回しを氏はなさっておられます。
  このあたりは部外者には窺い知る事はできませんが、いまの政党政治そのものに閉塞感を抱いている一人として、大いに関心のあるところです。

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自費出版

 出版不況の中で、自費出版ビジネスが盛んになっています。ただし、甘言を弄しすこぶる高い費用を要求されることもままあるそうで、訴訟などトラブルも頻発しているようです。

 ちなみに最近、新風舎の経営が悪化、破産手続のうえ同じく自費出版大手の文芸社に営業譲渡されることとなりました。だからといってすでに払い込んだ出版費用が戻ってくるわけでもありません。破産しちゃったから取られ損ということです。

 三代噺めいてきましたが、実は僕も文芸社から自費出版をした経験があります。中身は政治モノではないですよ。れっきとした?小説なんですけど・・・・・。

 懸賞にあっさり落ちた原稿を持ち込んだのですが、確かにそこそこの費用はかかりますが、まああんなもんだろうって感じでした。だいたい自費出版が大々的に取り上げられベストセラーになるわけがないんですから、ある程度割り切っておく必要もあるでしょう。いくばくかの間本屋にも並んだようですし、一応新聞広告も掲載してくれましたから、まあ十分でしょう。

 ただ驚いたのは、買ってくれた人がいたことです。といっても数百冊ほどですけれど。べつに誰かに押し売りしたわけでもないんですが、奇特な方もいらっしゃるもので、おかげさまでお年玉程度の印税も頂戴しました。

 というわけで、ブログやメルマガで恥ずかしげもなく駄文を書き連ねつつ、夜になれば応募用の原稿書きにいそしむ今日この頃です。

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橋下知事の常識的発言

 産経新聞によれば、橋下大阪府知事と代表質問を行った共産党府議との間で、部落問題について激論になったとのこと。

 記事によると、
 共産党府議「同和行政を継続することは、かえって『逆差別意識』を生じさせるなど、同和問題解決にとって有害。同和行政を完全に終結することが必要では」

 橋下知事は「差別意識はまだ残されており、同和問題は解決されていないと認識している。一般施策によりその解決に取り組んでいる。解決されていないとういうのは、私の経験でも実体験でもある。いわゆる同和地区というところで育ったが、現在、同和問題は全く解決されていない」

 共産党府議「知事自身が差別意識がまだあるといわれたが、同和行政と同和教育は終わるというメッセージを発することが最も必要では」

 橋下知事「机上の論にとらわれることなく、本当に差別意識があるのかどうかを肌身で感じている人たちの話を聴いてから判断してほしい。差別意識というものは私の周りで現にあるということを認識している」「同和問題が解決されていない、差別意識があるからといって特別な優遇措置を与えていいのかは全く別問題。すべて一から総点検していく。ただし、同和問題が解決されたというのは全くの事実誤認、認識不足だ」

 というやりとりだったようです。

 橋下知事の認識がごく常識的なのは一目瞭然です。部落問題は差別意識をはじめ厳に存在し解消されていないが、それは一般施策のなかでやるべき。しかし特別対策云々は別問題ですべて一から総点検する。というのはほぼ百点満点といっていいでしょう。

 一方、共産党側は差別の存在それ自体を否定するわけですからお話になりません。

 もっとも橋下知事は、「同和問題が解決されていない、差別意識があるからといって特別な優遇措置を与えていいのかは全く別問題。すべて一から総点検していく」と、政策手法については共産党も一応は納得できるはずの答弁をしているのです。

 共産党が、差別はなくなったという枕詞を随所にちりばめるために、橋下知事は事実に即して発言しただけのことなのです。

 ちなみに、共産党は一般施策で差別と人権侵害に対処する行政をやること自体を否定しているのか、人権行政一般から部落問題だけをはずせと言っているのか、いずれにせよいびつな人権感覚というほかありません。

 とかく僕の周辺では評判が最悪の橋下知事ですが、もちろんその姿勢、見識には僕も疑問はありますが、今回の一件については、知事の認識を正当に評価したいと思います。

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金融政策はどこへいった

 「財政と金融の分離」をいまさら声高に言う必要もないことです。日銀の独立性を担保した日銀法改正からすでに10年。政府と日銀は意思疎通を図りながらも、金融政策は日銀の専管事項ですよ、ということは法律で定められたことなのです。

 この一点において、財務事務次官を務めた武藤さんが総裁候補になること自体、武藤さんの見識云々以前におかしな話なのです。というよりそもそも副総裁だったこともイレギュラーと言うべきなのです。

 ただ低金利政策を福井総裁とともに進めた御仁だから総裁昇格などもってのほかだという反対論もありますが、この点については、金融政策の選択肢を狭めてしまった政府の「構造改革」こそが問題の本質であって、総裁、副総裁が誰であれ、日銀に責任を押し付けるのはアンフェアです。不良債権処理によって金融機関のバランスシートは帳簿上改善しましたが、資金需要をさらに冷え込ませると言う副作用に政府は無策だったのです。結果金融機関に滞留した資金はサブプライムローンに向かい、またぞろ焦げ付きを生み出すことになっています。需要を喚起する政策をおろそかにした政府こそ断罪されるべきなのです。

 ちなみに政府の対応も不可解です。国会同意人事では衆議院の優越が認められませんから、参議院で否決されればご破算になることがわかっているのに、否決が確実な人事を提示するのですから、わざわざ自分の首を締めるようなものですから。

 ともあれ、金融政策を政争の具にしてしまうなど、天に唾する行為です。

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生きた政策を実現するために

 僕が関心を持って取り組んできた課題のひとつに中小企業政策があります。国会在職時は直接所管する経済産業委員会には所属していなかったのですが、ちょくちょく差し替えで質問したりもしていました。もっとも当時から主たる問題関心は税制や融資面など中小企業支援のスキームをどうするかといったものでした。

 例えば「地域再投資法」(金融アセスメント法)は、中小企業、地域へ資金が安定して供給されることをめざしたもので、中小企業の潜在能力や事業性・将来性の評価による融資拡大、金融機関の貢献度の評価・情報の公開などが柱となります。

 といったことを、今でもこだわっているのですが、この種の制度は当然ながら中小企業側のニーズと合致しなければ意味がありません。例えば融資の拡大であれば、資金需要がある中小企業にとって何がネックになっているのかをキチンとおさえたうえで、制度設計をしなければ実際に活用されません。

 最近そのことを考える絶好の機会をいただきました。いつも励ましをいただいている方から「君の政治活動の幅を広げるためにもいいんじゃないか」と勧められ、いま折に触れてあちこちのオンリーワン企業を訪問し、お話をうかがっているところなのです。貴重な機会をいただいたのですから、現場の生の声に触れながら、当事者のニーズに合致した生きた政策を訴え実現したいものだと改めて意を強くしているところです。

 

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協同労働の協同組合

 「協同労働の協同組合(労働者協同組合)」といってもなじみのない方が多いのではないでしょうか。

 簡単に言えば、働く人が自ら出資し、働き、そして経営するという事業体=協同組合なんですが、雇用されることに慣れ親しんできた勤労者にとって即座にイメージが沸かないのは致し方ないのかもしれません。

 資本と労働経営を一体的に運営するなどといえばなおのことわかりにくいかもしれません。

 しかし、新しい働き方を働く側から創造していく試みは、すでに日本でも20数年を超える歴史を持っています。ただ残念なことにこうした協同組合には法的保障がないため、NPOや生活協同組合、企業組合などのスキームをいわば借用して運営するケースが多かったのですが、むろんこれらの制度では「協同労働の協同組合」の趣旨目的を担保しているわけではありません。

 そこで法制化が必要になるのですが、最近やっと超党派の議員連盟が設立され、法制定に向けて大きく一歩を踏み出しました。

 僕自身、議員在職中からずっとこの課題にこだわり、いまでもささやかながら活動にコミットさせていただいていますが、「法律が必要だ」という認識が少なくとも議員の中で普遍的なものになってきたことはうれしい限りです。

 かれこれ6年前になりますが、僕が本会議、予算委員会で法制化について取り上げた際に答弁をいただいた坂口厚生労働大臣(当時)が議員連盟の会長に就かれたことは、ほんと感慨深いですね。

 もっとも、昨日の集会で主催者を代表して挨拶された笹森清(前連合会長)さんと少しお話したのですが、氏によれば「坂口さんは誰がどんな質問をしたのか、自分がどんな答弁をしたのか覚えていないと言ってたよ」(笑・まあ6年も前のことですから仕方ないですね)ってことでしたが、議連会長は快く引き受けられたそうです。

 ともあれ、与野党でぶつかる課題ではないのですから、早期制定を期待しています。 

 

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