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2007年12月

日中首脳会談

 日中首脳会談で驚かされたのは、中国側の福田首相への厚遇ぶりです。

 要するところ、中国は「日本は福田内閣でいいよ」ってことのようですね。

 理由はわかりませんが、少なくとも小泉、安倍両氏に比べて「常識的」とみたのかもしれません。実際福田首相の北京大学での講演要旨を一読する限りですが、例えば「自らの過ちに対する反省と、被害者の気持ちを慮る謙虚さを伴ったものでなくてはならない。過去をきちんと見据え、反省すべき点は反省する勇気と知恵があってはじめて将来に誤り無きを期することが可能になる」という言い回しなどは前、元首相は決して述べることなどなかったでしょう。

 もっとも、成果ほどのこともなく、あえて言えば胡主席の来日までに東シナ海ガス田問題を決着させるという点ぐらいですが・・・。 

 中国脅威論を声高にぶつ面々を抱えている民主党より福田首相の方が中国にすれば安心というお墨付きをもらったことは、それはそれで政権の安定と存続のポイントであることは確かです。対米従属を続けるかぎり中国が脅威であることなどあたりまえのことですが、少なくとも福田首相は平身低頭することなくかつ融和的姿勢をバランスよく演出したことは与党サイドからすれば一応合格点というところでしょうか。

 実際、野党としても今回の訪中を批判し尽くすだけの材料がさほどないのは正直なところです。

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「一石三鳥」

 報道によれば、民主党の小沢代表は次のように述べたそうです。そんまんま記事を転載します。

 

 民主党の小沢代表は28日、衛星放送「BS11」の番組収録で、自民党との連立政権構想について、「民主党の人に『政権とはこういうものだ』『政治とはこういうものだ』という(実体験を積ませる)訓練の場になる。『一石三鳥』で、(次期衆院選後は)民主党の本格政権は間違いないと思った」と振り返った。

 そのうえで、「(民主党の)年金の法案も、農業の法案も参院を通過して衆院に送られたが、野ざらしになっている。(連立参加の)政策協議で『やる』となっていれば、実現していた」と述べた。

 このとおりだとすると、小沢さんは、大連立を組めば、政権とはなんぞや、政治とはなんぞやということが訓練できて、次の総選挙後には民主の本格政権ができると思ったということになります。

 要は、今の民主党には実習が足りないから、自民党と一緒になって訓練すれば、力がつけようというのです。

 小沢さんのコメントは氏が自党をどう評価しているかということはよくわかりますし、自党の政策実現のためにそれが必要だったんだという信念はそれなりに伝わってきます。

 また、先行事例がないわけではありません。1966年、西ドイツでは、与党キリスト教民主・社会同盟と野党社会民主党との間で約3年にわたって大連立が実現しました。自由民主党が政権離脱したため政権を維持できなくなったからです。要は野党を抱き込まない限り政権が持たないので野党に譲歩する形で大連立が実現したのです。ちなみにその後社民党は自民党と手を組みブラント政権を実現します。この場合、確かに、社民党は政権入りし、その後本格政権へと進みます。

 この史実が小沢さんの念頭にあったのかどうかはわかりませんが、野党がその政策を実現する手段として大連立それじたいを全否定する必要はありません。

 しかし、小沢さんによる大連立のもくろみは、少なくとも野党ペースではなかったという点で西ドイツのそれとは決定的に違います。

 いやそんなことはない、という小沢さんは反論するでしょう。ひょっとして小沢さんには深謀遠慮があったのかもしれません。しかし、それがいかに堅牢に積み上げたものであったにせよ、仮に小沢さんの思惑通り「一石三鳥」であったとしても、あくまでそれは小沢さんの主観に過ぎず判断は間違いだったと言わなければなりません。

 答えは実にありきたりですが、「民意」を軽んじているということに尽きるからです。おそらく「民意」によって支持された政策を実現するために大連立を組むことは決して「民意」に背を向けることではないと小沢さんは考えたのでしょう。しかし現状での政治への期待が、濃淡はあれど政権交代にあることは確かだということは直視しなければなりません。「民意」に応えるためにはその点に収斂するべきです。

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