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衆議院と参議院・選挙戦術の差

 議員選挙でもっともきめ細かい選挙は区市町村議会選挙です。これらの場合は、基本的に歩いたぶんだけ確実に票に反映します。当選ラインが2000票なら新人の場合、1万軒は歩くべきです。現職で一定基盤が固まっている場合は、自身の名簿をきちんと固めることになりますから、軒数は少なくなります。

 都道府県議、政令市議の場合は、1万軒では追いつきません。僕の知っている県議は事前にのべつまくなく選挙区内の全戸(おおむね2万軒)を歩かれます。この方は、その時々の政治情勢にかかわりなくつねに上位で当選されてきました。組織の背景がなければ基本はこの形しかありません。もちろんビラの全戸配布(人ではないがお金があるならポスティング業者に委託することもありです)を数回やるとか、駅頭などでの街頭演説を定期的に定位置で半年ぐらい続けておれば、名前を浸透させるという点ではそれなりの効果はあります。が、有権者とどれだけ顔をあわせたかということでは、区市町村議の場合と基本形は変わりません。支援組織の多寡がものを言うという点では違いがあるといえますが、最近は組織票というものはあまりアテにならないことに留意しておくべきでしょう。

 さて、国会の場合はどうか。衆議院は、小選挙区が県議会、区市町村議会と同じ区域で設定されているケースままあります。ただし当選ラインに達するための得票は格段に差がありますから、「歩く」という手法は、事実上全戸やりきるなど不可能ですから、1~2万歩いたからといっても砂漠に水をまくような側面は否めません。一定の組織、知名度等があることに越したことはありませんし、無名の場合だときめ細かに街頭に立つ、ビラをとにかく大量に配布する、可能な限りいわゆる事前ポスターを掲示するなどで、顔と名前をまず知らしめることも重要です。

 ちなみに僕は、衆議院選挙にはこれといった必勝法は存在しないと考えています。それは当然ながら情勢に大きく影響されるからで、セオリーどおりの選挙運動を着実に積み上げていても「風向き」には勝てないからです。しかも向かい風ならば、外に広がらないことがわかっていても、なおさら着実に固めの選挙をするほかなくなってしまうのです。一方、基礎体力に差があっても風向き次第では浮上することもあります。その点では、選挙の手法もさることながら、世論を的確に掴む訴えをどれだけできるかが問われます。が、それすら吹き飛ばすのが「風」ですから、このあたりはいかんともしがたいのです。

 さて、参議院の場合は、「風向き」に左右されるという点では衆議院よりも顕著といえるかもしれません。というのは、衆議院の選挙区は300。一方参議院は47ですから、衆議院の場合地域固有の事情が反映する場合もありますが、参議院では都道府県で一つの選挙区ですから、局地的な問題はあまり関係ないからです。しかも、参議院は、いわゆる注目区、激戦区なども分母が少ない分、衆議院の場合よりも取り扱いが大きくなります。となると、セオリーどおりのことを積み重ねるよりも、大向こう受けを狙った選挙の絵づくりが結構重要なポイントになるのです。参議院は衆議院以上にきめが粗くなる分、目立つパフォーマンスがものをいうのです。選挙のスタイルはもちろん、ポスター、ビラといった宣伝物、政見放送や選挙公報などすべてで、他候補との差別化をはかるためにトコトンこだわったものを作るべきでしょう。

 僕が担当している選挙が結果どうなるかわかりませんが、こだわるべきこと、ものにトコトンこだわりながらやっていきたいと思っています。

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