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慙愧にたえない?

 松岡農水大臣の自殺に対して、安倍首相は「残念だ。慙愧にたえない」と繰り返しコメントされました。首相周辺は「こういう結果に至った自らの責任をこの言葉に込めた」と解説しているようです。というのは、人の死に接して「慙愧にたえない」なんてどう考えたっておかしいわけで、それを払拭するために「深い」安倍首相の意図をわざわざ解説せざるを得なかったのでしょう。と、思いますが・・・・。

 首相周辺の解説どおりに解釈すれば「松岡農水大臣が自殺したのは、残念で、任命した私は恥じ入っています」と、安倍首相は、任命権者として反省し恥じ入っているのだということになります。

  ちなみに「慙愧にたえない」って言葉は誤って使われるケースがままあります。例えば、芥川賞作家の柳美里でさえ、自身の小説がプライバシーの侵害だとして法廷に持ち込まれ結局敗訴したときの会見で「慙愧にたえない」と述べ、その誤用を指摘されたことがありました。発言の前後の文脈からすれば、どう考えても「遺憾だ」という趣旨で使用したとしか理解できなかったからです。確か呉智英氏による指摘だったと記憶していますが。

 おそらく首相周辺は、コメントを聞いた瞬間、首相の意味の取り違えに気づいたでしょう。というか、日本語なんですから気づいてあたりまえですが。僕もテレビでこの発言を聞きましたが、首相の発言も前後の文脈で考えると、深い悲しみを表現する意味で「慙愧」と述べたとしか考えられません。

 それならそれでいいじゃないって僕は思うのです。突然のことで、適切に表現ができなかったとでも言えばそれで済んだのです。安倍首相は日本語もまともに操れないのか、って馬鹿にはされるでしょうが、まさかそれを理由に内閣総辞職にも不信任案可決にもなりませんから。 

 ついこの間までさんざん擁護しておきながら、死んだら「反省します。恥じ入ります」では、むしろ死者に鞭打つことになるのではないでしょうか。だって「恥じる」ってのは、恥ずかしく思ったり、面目ないって意味の言葉ですから、むしろ余計な解説を周囲が加えたことで、首相が自身の責任を重さを表現したというより人の死をことさらに矮小化したといえるからです。

 いずれにせよ今回の事件が、安倍内閣の終わりの始まりだということだけは確かだと言えそうです。 

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