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また見送り。人権擁護法案

 もともと政府が準備した人権擁護法案は、中身に問題が大ありのシロモノでしたから、それよりも水準の低いものなどわざわざ出す必要がないといえばそうなのですが、この種の課題へのまなざしが安倍内閣の基本性格を象徴しているという点は一応指摘しておくべきでしょうね。加えて、安倍さんは「人権侵害の被害救済の法律」に対して、一貫して反対の旗頭として振舞ってきたことも事実としてとどめおいておきたいものです。

 最初にこの法案が国会提出されたのは5年前のことですが、当時から、人権侵害の定義があいまいだとか人権擁護委員に国籍条項がないのはけしからん、といった批判が自民党からなされ、いつのまにやら提出すらできなくなってしまったのです。

 人権侵害を厳密に定義しろって、言うのは簡単ですがいったいじゃあ法律にどう書けって言うんでしょうか? 確かに人権は普遍的価値です。が、その侵害のありようは千差万別で、個々のケースごとに判断せざるを得ない領域が存在するのです。あらかじめ、これとこれが人権侵害というものです、などと決めておくことは困難なのです。ほとんど因縁に近い反対論をぶつ方々は、そもそもの立法の趣旨をご理解なさっていないのです。賛成の側の人もそういう意識の方がひょっとしていらっしゃるかもしれませんが、この法律の目的の第一は公権力による人権侵害の救済なのです。もちろん民間人同士のそれが射程にないわけではありませんが、どうも第一の点がスッポリ抜け落ちた議論が多すぎます。

 まあ、その点からすれば、法務省が法案を用意するのがそもそも筋違いなのですから、政治的背景はどうあれ、出さないことそれ自体は当然のことと受け止めるべきでしょう。

 しかし、この種課題に関心がないというか、理解がないというか、おそらく人権という言葉からほとんどなにもイメージできない宰相が、少々奇麗事をおっしゃっても眉が唾だらけになるのがオチでしょうか。 

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