加藤紘一氏の「ビビンバの会」など、きなくささを漂わせつつも政界再編をにらんだ動きが始まっているようです。
この種の動きは、政治家とりわけ現職国会議員が所属政党を離党する決意をしない限り成就しないものです。
それだけに、橋本大二郎前高知県知事の衆院選立候補表明は、自民、民主の予定候補者のいる選挙区にあえて参入するものだけにかなりインパクトがあります。
無所属で立候補するは言いつつも、「政界再編の流れの中で中心的役割を果たしたい」と述べたうえで、「同志が集まれば新党の形を作るのもあり得る」とされており、いわば再編を加速させるためのボールを投げたとも言えそうです。
地方分権や福祉、環境などの政策を掲げ、「既存政党との違いを示して、有権者の理解を得たい」と強調されてもいます。
最近は語られることも少なくなりましたが、保守中道革新という構図に改憲か護憲かという立場を組み合わせて、政党の立ち位置を示すことそれじたいを止揚しようとするのであれば、一面画期的な試みともいえます。
先日紹介した田中秀征氏の第三極論とも通じるところがありそうです。
言うまでもなく、既存の枠組みのなかでその枠組みを突破する事はできませんし、既成政党の離合集散は本来の意味での政界再編にはあたりません。
いずれにせよこうした動きが出てくる背景には、参議院での与野党逆転が、必ずしも二大政党による政権交代の前段とはいえなくなっている現実があります。政府与党を追い詰めるのは野党として当然だとしても、ここ数ヶ月の国会の混乱によって、内閣支持率は大きく下げていますが、それに代わる政権をどこが、だれが担うのかについてはまったく現実味を帯びて語られていません。これは野党にとって致命的ともいえます。
その理由の一つには、民主党は確かに政府与党に対案を示してはいるものの、政策の全体像(いわゆるマニフェスト)を具体的に明示しいないことも要因でしょう。
そのため、野党が政権をとっても変わらないということではなく、そもそも与野党の根本的な違いがわからないという状況を呈しています。もちろん、暫定税率や一般財源化なども重要な政策課題ですが、マクロな視点での未来構想が、野党の動きから窺い知れないということです。
かかる状況の総体をさして政治の閉塞状況が生まれているというべきなのでしょう。
しかし閉塞状況を突破する役割を、それを作り出している既存の政党にできるわけがないことは自明の理です。
橋本氏の投げたボールが、政界に波紋を起こすかどうか、自身がいま座っている安楽椅子を蹴飛ばして、あえて厳しい条件のもとに身を投じる者が出てくるのかどうか。まずは、注視したいと思います。
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